Arjen Anthony Lucassen | Vocal, Guitar, Bass, Keyboard | 1st 2nd 3rd 4th 5th 6th 7th 8th 9th 10th |
THE FINAL EXPERIMENT (1995;1st) C+ | |
マルチ・ヴォーカルのメタル・オペラ・プロジェクト。全体的にはプログレッシヴ・ロックをベースにした内容で、コンセプト・アルバム特有の弛緩パートを退屈ととるかどうかで好みは分かれそうです。ヴォーカルはあまり馴染みのない人選ですが、男性はパワフルな中高音域を主体にし、女性はノーマルな高音域主体の良いチョイスになっています。ケルティックなフレーズを奏でるギターとキーボードは基本的にはヴォーカルを立てます。ベースはアタック感と響きのある低音でヘヴィネスを供給します。一方でドラムは奥に引いてあまり目立ちません。 #A3:トレブリーに歪むヴォーカルがキャッチーなヴォーカル・メロディを飾る。#A5:フォーキーな哀愁メロディをしっとりと聴かせる。#A6:キーボードとフルートによる枯れた哀愁をブーストするパワフルな熱唱が魅力。#A12:悠然とした叙情メロディにハスキーなシャウトがテンションを与える。#A15:ラストをパワフルに締めるヴォーカル陣の熱唱が良い。 |
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PERSONNEL
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ADDITIONAL
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INTO THE ELECTRIC CASTLE (1998;3rd) A | |
マルチ・ヴォーカルのメタル・オペラ・プロジェクト。インスト面がメロディックに充実したプログレッシヴ・メタル様式で進行します。メロディの核はキーボードが握り、電子音を中心にブルーズ臭を混ぜながらキャッチーに展開。ギターはエレクトリックよりはアコースティックに味のあるプレイが出ます。ベースは厚みのあるしっかりしたサウンドでリフとリズムを頑強に支える良い働き。ドラムは若干薄めの乾いた音でメリハリをつけて軽快な駆動力を叩き出します。ヴォーカルは中高音域のソウルフルな声の持ち主をメインに選出しています。 #A2:無機質に紡がれるリフにヴォーカルが色彩を与えていく。#A3:序盤は気怠いリフをラフでパワフルなヴォーカルが引っ張り、中盤以降はインスト陣のメロディが奮起する。#A7:ハスキーなヴォーカルを軸にして叙情メロディがメリハリをつけて展開する。#B1:ヘヴィネスに起伏を作りながらベースとヴォーカルが牽引する。#B3:暴力的な低音を響かせるベースを軸にしてギターとヴォーカルがメロディを展開させる。#8:跳ねるオルガンに乗って叙情性とヘヴィネスを叩き込む。 |
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PERSONNEL
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ADDITIONAL
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UNIVERSAL MIGRATOR PART I: THE DREAM SEQUENCER (2000;4th) C+ | |
電子音の浮遊感がゆったりと展開するプログレッシヴ・ロック。アグレッションは割り切って捨ててしまい、感傷的なメロディに特化した内容です。ヴォーカルも全体的に雰囲気に合わせて程よく力の抜けた哀愁のメロディを歌います。キーボードとアコースティック・ギターが作り上げる枯れた世界観にエレクトリック・ギターの美麗なメロディが叙情性を与えます。ベースはそれなりに良く響く低音を供給してきますがあまり浮上せず、ドラムも淡々とした印象。 #3:淡々とスペーシーな荒涼感を注ぎ込んでいくキーボードが良い味を出す。#7:フォーキーでポップな爽やかメロディが魅力。#8:哀愁を滲ませるメロディにナチュラルなヴォーカルがよく合う。#10:テンポを上げながらヴォーカルとキーボードの叙情メロディを仕上げにかかる。 |
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PERSONNEL
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UNIVERSAL MIGRATOR PART II: FLIGHT OF THE MIGRATOR (2000;5th) B | |
パワフルな歌唱力のヴォーカルを揃えたメタル・オペラ。実力確かな濃い目の人選に勇壮なメロディ・ラインをあてがって進行します。電子音キーボードが主にプログレッシヴ・メタルなリフを受け持ち、ギターはメロディックなソロに存在感を発揮。ベースもヘヴィな方向性の下でファットにボトムを埋めています。ドラムは打数多めにテクニカルなプレイでリズムを支えます。 #1:速弾きバトルを繰り広げるギターとキーボードをヘヴィなリズム隊が煽る。#2:キーボードに先導される勇壮なメロディ・ラインが魅力。#3:キーボードのファンファーレがヘヴィな弦楽器隊とキャッチーなヴォーカル・メロディを先導する。#6:ヘヴィに跳ねるリズム隊に乗ってキーボードがキャッチーなリフを叩き込む。#9:スリリングなキーボード・リフとヴォーカル・メロディを破壊力のあるドラムが追い立てる。 |
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PERSONNEL
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ACTUAL FANTASY REVISITED (2004;2nd-rev.) B+ | |
デジタルな装飾を施すプログレッシヴ・ロック。哀愁を滲ませるメロディ・ラインをマルチ・ヴォーカルで紡ぎます。ヴォーカルは3人ともナチュラルな中高音域を主体として良い親和性を見せます。ギターが主体となって弾き出すメロディックなリフを電子音のキーボードがサポートしでプログレッシヴな雰囲気を添加。ベースはボワついたサウンドであまり派手には動きませんが低音域をヘヴィに埋めます。ドラムも重いヒットをメリハリをつけて繰り出してきます。 #2:メロディックなインスト陣と淡々と繰り出されるヴォーカル・ラインが良い雰囲気を作る。#4:デジタルな浮遊感をバックにじっくりと叙情メロディを歌い上げる。#7:気怠い叙情性をヘヴィなリズム隊が支える。#8:爽やかなメロディに哀愁を練り込みながら展開していく。 |
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PERSONNEL
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THE HUMAN EQUATION (2004;6th) A | |
キーボードのデジタルな浮遊感で進行するプログレッシヴ・メタル。マルチ・ヴォーカルの中で主役として一本軸を通す James
が流石の歌唱力を発揮、暗黒臭漂わせる Mikael
を始め他のシンガーもそれぞれに魅力的なパフォーマンスです。インスト面はキーボードが主導権を握ってメタリックな叙情性を主体としたメロディ・ラインを紡ぎます。エレクトリック・ギターとベースは主にヘヴィネスが欲しいところで前にでてきます。ドラムもマストの扱いではないですが、軽快な叩きっぷりでリズムと雰囲気を作ります。 #3:陰鬱な世界観を作るギター・リフにコーラスでコマーシャルな激情を添加していく。#7:フォーキーな叙情性を垂れ流すキーボードとヴォーカルが魅力。#8:ダイナミックに強弱をつける展開にヴォーカルのパフォーマンスが映える。#11:軽やかなメロディの合間に情感を爆発させるコーラスが良い。#14:ヘヴィなグルーヴを生むベースに乗ってキャッチーなメロディを展開する。#17:枯れた哀愁を重厚に送り出すヴォーカルとベースが魅力。#18:主メロディの担当楽器を入れ替えながらドラムと一緒に駆ける。 |
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01011001 (2008;7th) C+ | |
枯れたダークな世界観で贈るプログレッシヴ・メタル。マルチ・ヴォーカルの人選はシブめのソウルフルな声を重視したような印象。キーボードのフォーキーなメロディに所々デジタルなアクセントも加えて展開するインスト・ワークはあまり派手ではなくヴォーカルを立てるようなスタンスに聴こえるため、わかりやすい盛り上がりを作らないとも映る面があります。ヘヴィネスが欲しいところではベースをガッツリと効かせて対応。無機的な硬いドラムも音の印象に違わずわりと淡々とビートを刻みます。 #A3:若干の暗黒臭を匂わせながら叙情メロディをヘヴィに展開する。#A6:フォーキーなストリングスとギターに乗ったキャッチーなヴォーカル・メロディに叙情性を潜ませる。#B1:ダークな叙情性を持った世界観をヘヴィに繰り出す。#B3:フルートに導かれるフォーキーな哀愁が強力。 |
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THE THEORY OF EVERYTHING (2013;8th) A+ | |
全体に暗く緊張感のある悲壮な情感を漂わせるプログレッシヴ・メタル。サクサクと展開が速いので初聴では割と淡白なイメージが残るかもしれません。ヴォーカルは人数をそこそこ絞って対話的な掛け合いを表現力豊かに繰り出します。Tommy
の純朴な青年と Marco
の知性と狂気が同居したライバル・キャラクターは名前を聞いただけで安心感抜群の鉄板配役。インスト面は基本的にはキーボードが主導していきますがギターとベースの存在感も強く、特にベースがメタリックな攻撃性を担います。ドラムはあまり深みはないものの張りのあるヒットで駆動力を支えます。 #A2:フルートとピアノがヴォーカル・メロディの情感をブーストする。#A13:緊迫感をかき立てるヴォーカルのパワフルなパフォーマンスが魅力。#A19:アグレッシヴなドラム・サウンドで叙情的なテーマ・フレーズに鞭を入れる。#B3:ヴォーカル・メロディを追い立てるキーボードとドラムが良い。#B15:軽快なテンポで跳ねるドラムがキーボードのキャッチーなメロディを先導する。#B19:メイン・テーマをテンション高く繰り出す。 |
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THE SOURCE (2017;9th) 8 | |
マルチ・シンガーによるオペラ形式のプログレッシヴ・メタル。広めの方向性の楽曲群をそつなくまとめて飽きさせない内容でメロディも充実しており8点。ケルティックなメロディをストリングスを交えて紡ぎ出すスタイルが特徴的ですが、基本的にはヘヴィな攻撃性を持たせる傾向なのでメタル・オペラとしての魅力は損ないません。ヴォーカル陣は実力派の豪華な顔ぶれで、ハイ・トーンによる応酬は聴き応えのあるハイライトとなります。インストはメロディに注力しますが、前情報無しでも聴いたら名前が浮かぶ Paul Gilbert のプレイは相変わらずの凄さ。
・ヴォーカル: ハイ・トーン熱唱系を好んで集めたような顔ぶれで期待通りのハイ・クオリティ・パフォーマンス
・ギター: エレクトリックは基本的にはリズム主体に脇役を担う印象で、メタリックな攻撃性に貢献 ・キーボード: 電子音やオルガンでプログレッシヴ・ロックの味わいを添加する ・ベース: ウォームな中にも粒子感を残したサウンドで厚くハードにボトムを支える ・ドラム: 派手さはないが重さを感じる手業で駆動力を供給 |
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TRANSITUS (2020;10th) 4 | |
MTR76232 |
歌劇仕立てのプログレッシヴ・メタル。ストーリー重視のためか楽曲がブツ切りの印象が強くこれという聴き所に欠けるため4点。良いパートはたくさんあるのですがするっと通り過ぎてそれっきりというもったいなさを感じます。ヴォーカルは入れ代わり立ち代わりの起用になりますが男女高低問わず熱唱系が多いイメージ。ギターは叙情メロディに力を発揮します。キーボードはゲストの中世的な楽器群をサポートして楽曲の世界観を作ります。ベースはかなり前に迫ってくるヘヴィなサウンドでメタリックな重厚さを出します。ドラムは奥の方で広がりのあるリズムを作りますが適度にテクニカルなタッチを覗かせます。
#A3:ホーンとベースがゴージャスな空気を作りショウが展開する。#A7:ヘヴィなベースに乗せてキャッチーなヴォーカル・ワークが跳ねる。#B6:ベースの駆動力に乗ってスリリングなメロディが静かに駆け回る。#B8:ピアノから始まってブルータリティを増しながらスリリングなメロディが展開する。
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